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３Dスキャンは小物のコピーを取るもの？
部屋丸ごとスキャンする「Archisketch」
メリット
３つの計測方法

３Dスキャンは小物のコピーを取るもの？

家庭用３Dプリンターが登場してから早数年経ちましたが、プリンターと比較すると３Dスキャナーは話題に上る頻度が少ない気がします。３Dスキャナーは小物や機械部品の輪郭や寸法を読み取って、クローンを作ることを主な用途として使われます。しかし安価なモデルは読み取り精度が悪くあまり実用的とは言えないのが現状です。高価な業務用を購入すればそこそこの精度を得られますが個人には手を出しにくい価格帯になってしまうため普及しない要因となっています。しかしこの記事で紹介する３Dスキャナーは小さなものを正確に読み取るのが目的ではなく、「部屋を丸ごとスキャン」して模様替えやリフォームに役立つ３Dデーターを作成するための機種です。
今までの３Dスキャナーとは正反対のコンセプトを持つこの機種に興味が沸いたので調べてみました。

部屋丸ごとスキャンする「Archisketch」

この手のひらサイズの機械が部屋の内装を読み取る為のスキャナーです。現在アメリカのサンフランシスコに設立された企業がクラウドファンディングの資金提供を受けながら開発しています。この機種はスマホと組み合わせることで機能します。スマホに専用のアプリをインストールして本体に接続した状態で使用します。スキャナーに内蔵されたカメラの映像が画面に映るので、これを見ながらスキャンしていきます。部屋の四隅や壁の凹凸に沿ってスキャナーを動かすだけで壁の位置や天井高、床面積などが簡単に読み取ってくれます。

スキャナーで部屋の間取りを３Dデータとして読み取った後に、専用のソフト(3D HOME PLANNER)を使うことで仮想上の部屋の中に家具やキッチンや収納などの設備を配置することができます。左のメニューから家具を選んでドラッグ＆ドロップして部屋の中に配置していきます。家具の他にもTVなどの家電やシステムキッチン等の設備も用意されていますのでどれくらいの大きさなら自分の部屋に納まるのか簡単にチェックできます。

好みのインテリアが完成したら３DCGやVRゴーグルを使用して確認できます。

メリット

部屋の模様替えをする時に自分の気に入る家具を探すのに何件も家具屋をはしごしたり、買ってきた家具が上手く収まらなかったりした経験をお持ちではないでしょうか。この製品は模様替えや引っ越しそしてリフォームの際の時間のロスと失敗をなくすために作られたと開発者は述べています。従来の方法では部屋の３DCGを制作するのに膨大な時間と手間がかかりましたが、この製品を利用することで寸法を測ったり図面から３Dモデルを作成したりする手間をソフトが自動でやってくれるので、大幅な時間短縮とコストダウンが期待できると主張しています。確かに建築用の３DCADを購入して習得する手間を考えると計測したらすぐにアプリで間取りを確認できる「Archisketch」 の方が便利だと思いました。

３つの計測方法

「Archisketch」 では３種類の計測方法が選べます。LASER,AR,そしてSPACEモードです。
カメラの画像認識と赤外線レーザーによる距離計測を組み合わせて動作しています。

LASERモード

スキャナーに搭載された赤外線レーザーを使用して最大40mまでの距離を正確に計測できます。基本的にホームセンターで販売されているBOSCHのレーザー距離計と同じですので、この機能単体ならわざわざ買う必要はないと思います。測定した距離はスマホの画面に表示されます。

AR DISTANCEモード

机やカーテンレールなど様々な物体の２点間の距離を計測します。スマホの画面上で測りたい箇所を選択すると計測します。恐らく選択した２点にレーザーを照射して三角測量しているものと思われます。宜しければ計測している様子を動画でご覧ください。

PACEモード

このモードが部屋をまるごとスキャンする機能です。３次元の空間を読み取ってCGを作成します。
計測するために部屋のすべての角の位置を入力します。最大で20ｍの距離まで計測できます。

なんだかポケモンGoみたいですね。拡張現実のような感覚で自分の部屋を模様替え出来るのですからすごい技術だと感じました。上の動画では３Dモデル上に配置した家具をその場でAmazonで注文していましたが残念ながらこの機能は実装されていません。もしもこんな機能が世の中に普及したら机や椅子を家具屋で買うよりもネットで買う方が主流になるかもしれませんね。

興味をお持ちの方はプロジェクトをチェックしてみてはいかがでしょうか？
Archisketch:The Simplest Interior Design Solution.