「UMPC」は「Surface」の代わりになるか?


目次

スペックを比較してみた
Surfaceシリーズの特徴
Windowsタブレットの特徴
UMPC の特徴
結論
追記:Core i7搭載の機種を発見したが・・・


皆さんは「UMPC」という種類のパソコンをご存知でしょうか。UMPCは Ultra Mobile PCの略でその名の通りモバイルノートを二回り小さくした超小型のパソコンのことを指します。聞きなれない単語かもしれませんが本質的にはかつてスマホの普及と共に消滅した「ネットブックの後継」という認識で差し支えありません。
UMPCの特徴は8-10インチ程度の小型の筐体にモバイル版ではない通常のWindowsがインストールされていて、QWERTYキーボードを備えているので文書作成や表計算の作業がしやすいことです。
しかし今日では大抵のことはスマホは済ませられますし、Surfaceを筆頭とした小型軽量のタブレットPCも普及しています。そんな状況の中でUMPCをわざわざ購入する価値はあるのか調べてみたいと思います。

スペックを比較してみた

恐らくUMPCに興味を示す方はビジネスユースでの使用を念頭に考えていることでしょう。なぜならYoutubeなどの動画はスマホで視聴出来ますし、PC用のゲームで遊ぶには明らかに画面の大きさが不足するからです。
また動画編集やEDMなどのクリエイティブ用途にはiPadやMacBookの方が向いています。
ですから今回は仕事に使っている方が多いSurfaceシリーズとWindowsタブレットを比較対象としました。UMPCの代表としてGPD Poket2 Maxを掲載しました。まとめた表がこちらです。表の内容はKakaku.comの商品紹介をもとに作成しました。

Surfaceシリーズの特徴

まずはSurfaceシリーズから見ていきましょう。
SurfaceシリーズはDellやLenobo製のノートPCと比較すると割高に感じられるかもしれませんが、こちらの機種にはMS Officeがプリインストールされています。発売元がMicrosoftなだけはありますね。表中の他の機種はMS Officeは付属しませんので自分でインストールする必要があります。表の一番下に参考として載せましたがOffice Home and Buisiness 2019の価格は現在34300円です。

CPUを見てみましょう。かつては省電力CPUと言えばAtomやCeleronがメジャーでしたがいつの間にかPentium GoldやCore m3のような見覚えのないCPUが登場してきました。Surfaceの最安モデルに採用されているPentium Gold4415Yのスコアは2229となっています。普及価格帯のノートパソコンに良く搭載されるCorei3のスコアの半分以下ですから使い物になるのか不安を感じましたが、価格コムのレビューを見る限りでは動画配信やブラウザゲームのような比較的負荷の高い用途に堪えていたのでWordやExcel、ネットサーフィン程度であれば問題ないと思います。
恐らく Microsoft も低価格を実現するために仕事に使える最低限の性能を狙って販売しているはずでしょうから、今回はこの機種のCPUスコアをビジネス用途での実用性を有しているかの基準値にします。同様にメモリも4GB以上を基準にします。

ちなみに最上位機種を選べばCorei7搭載でメモリが16GBの性能が手に入りますが動画編集などをされない方にはそこまでの性能は不必要だと思います。

Windowsタブレットの特徴

さて、次にWindowsタブレットを見ていきましょう。広義ではSurfaceもwindowsタブレットに含まれますがここでは「メーカーが純正キーボードを用意していない」WindowsがOSのタブレットと定義します。
Windowsタブレットの実用性を評価しますと、残念ながら仕事に使うには力不足であると言わざるを得ません。
CPUとしてAtomが搭載された機種(Winタブ最廉価機種)を所持していましたが、Windowsアップデートが掛かる度に動作が遅くなりまともに使えなくなりますし、Excelのシートに図や画像をいくつか貼り付けるとカクカクした動きになりしまいにはアプリが落ちてしまう始末でした。ですから仕事用として使うのは厳しいと思います。
Winタブの上位機種では搭載されるCPUがCeleron N4100になり、CPUスコアがSurfaceの最廉価機種と同等になりますが値段を考慮するとこちらを選ぶ理由は無いと思います。

UMPC の特徴

最後になりましたが今回のテーマである「UMPC」を見ていきましょう。UMPCの代表機種として選んだ GPD Poket2 Maxには2つのモデルが存在しますが廉価版のCPUはCeleron Dual-Core 3965Yが搭載されています。残念ながらCPUスコアから判断すると能力不足な印象を否めません。
一方で上位版にはCore m3-8100Yを搭載されています。こちらのCPUはベンチマークとして紹介したSurfaceの最廉価モデルよりひとつ上のグレードと同じものですので十分な性能があると予想されます。そしてメモリーについては8GBの容量があるので一般的な用途ではメモリ不足に陥ることはないでしょう。
つまりGPD Poket2 Maxの上位グレードに関しては仕事に使うのに十分なスペックを有していると言えます。

しかし、スペックが要求を満たしていても操作性が悪ければ実際の実用性は損なわれます。UMPCはその小ささのゆえにキーボードの配列が変則的だったり、キーピッチが狭くて使いずらい機種が存在します。この機種はどうでしょうか?Surfaceのキーボードと比較してみましょう。

・Surfaceのキーボード

・ GPD Poket2 Max のキーボード

さほど違和感のない配列になっています。Surfaceのキーボードと比較するとA-Z以外のキーの横幅を詰めたり使う頻度の少ないキーを省くことで小さな筐体に納まるようにしている感じです。人の手と比較すると筐体の小ささが際立って見えますが、入力が困難なほど小さいという印象は持ちませんでした。この機種の1世代前のモデルにはタッチパッドが存在せず、キーボードのヒンジ側にトラックポイントを搭載していましたが、現行モデルからオーソドックスなタッチパッドを搭載するようになりました。画面がタッチパネルになっているのでそちらでも操作出来ますがやはりこれは必要だと思います。

結論

超小型ノートパソコンであるUMPCをSurfaceとWindowsタブレットと比較しましたがUMPCの上位モデルに限れば、Surfaceのように仕事用として使っても十分な実用性があると感じました。但しUMPCの上位機種は75586円(未発売の為クラウドファンディングサイトの価格を適用。実売価格はより高額になる)と高額なので価格面での優位性はありません。更にMS Officeを自分でインストールする必要があるのでライセンスが余っていている方以外は追加で購入する必要が生じますから、むしろコスパが悪いと言わざるを得ません。

UMPCをお勧めできるのは
・オフィススイートは使用するけれど動画編集やEDM制作などはしない
・出来るだけ小型の端末が欲しい
・コスパをそれほど追及しない
これらのすべての条件が当てはまる方に限られます。かなり限定的な条件ですが該当する方にとっては有用な機種になり得ると思います。興味がありましたら検討してみてはいかがでしょうか?

GPD P2 Max: The world’s smallest Ultrabook

追記:Core i7搭載の機種を発見したが・・・

UMPCでCore i7搭載の機種を見つけました。GPDのライバル機種であるOneMix 2Sのプラチナモデルです。見つけた瞬間は超小型なのに高性能でこれはすごいと感激しましたが、念のためにCPUベンチマークを調べてみたところCore m3とほぼ同じ性能だったことが判明しました。大昔のCore i7ではなく第8世代のモデルにこんなものが存在することに驚きました。

Amazon販売ページ

CPUベンチマークの引用元

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