シャーリング(アマダMタイプ)の板押さえパッキン交換
板金工場にとって必需品と言えるシャーリングですが、経年劣化で板押さえのパッキンが劣化して油が漏れている機体をちらほら見かけます。今日はアマダのMタイプを例にして、板押さえのパッキン交換の方法をご紹介します。
必要なもの
・六角レンチ
・六角レンチを差し込むパイプ
・油受け x 2 (板押さえとテーブルの間に入る高さのもの)
・スペーサー(適当な木やいらない本でOK)
・千枚通し
・マイナスドライバー
・木や樹脂のヘラ
・オイルストーン若しくはサンドペーパー
・万力
・ウエス
1.ガードを外す
六角レンチでシャーリングの安全ガードを外します。
2.板押さえの下に油受けを置く
板押さえの下に油受けを置きます。下の画像ではすでに板押さえを外してしまっていますが、作動油が出るので下で受け止められるようにして下さい。
3.六角レンチで外す
アマダMタイプの場合4本のネジで留まっているので外します。大抵の場合ネジが固着しているので六角レンチにパイプを差し込み延長してトルクを掛けやすいように工夫します。外した板押さ内部にも油が溜まっていますので適当な容器に置いて油を抜きます。
4.油が抜けきるまで放置
板押さえを外した穴から油が出て来なくなるまで待ちます。
5.残りの板押さえを外す
残りの板押さえを外していくのですが、普通にネジを緩めると、途中から油が垂れてくるので板押さえが落ちないように適当なものをスペーサーとして差し込んでおきます。ネジを全部外したら速やかに板押さえを外してウエス等で養生します。板押さえについているOリングが機械側に貼りついている場合があるので確認して下さい。
6.板押さえを分解する
Oリングを外して適当な容器に置いたら、板押さえ裏側のボルトを外します。この部分はバネでテンションが掛かっていますので機種によっては外れた途端に飛び出してくる恐れがあるので注意して外して下さい。
とも周りを防ぐためにピストン部を万力に固定して緩めます。
分解するとこんな感じになります。
7.傷んだパッキンを取り外す
パッキンをマイナスドライバー等で取り外すのですが、固いので取り外しずらいと感じるかもしれません。その場合は「千枚通し」などでパッキンを突き刺して抜き取って下さい。パッキンの向きを記憶しておいて下さい。
機種によってはシリンダーを分解できる場合があります。幸いなことにこの比較的古いMタイプはシリンダー側面にホーローネジが付いているので外すことが可能でした。万力で挟んで55mmのレンチで回すと外れます。現行のモデルでは何故か外れない仕様になっています。
8.新しいパッキンを入れる
上の画像のようにシリンダーが分解できる機種は何の苦労もなく入るのですが、現行機種ではそうはいかないので力業で入れることになります。パッキンを入れる前にシリンダー内部にバリが無いか確認しましょう。バリがあるとパッキンを入れる時に切れる原因になります。バリがある場合はオイルストーン等で研磨して下さい。
次にパッキンを押し込んだ際に溝よりも奥に入らないように溝と同じ高さまでピストンを差し込んでおきます。写真の向きでは入れずらい場合は逆向きでチャレンジして下さい。
パッキンとシリンダー内部にグリスを塗り滑りを良くします。
準備が整ったらパッキンを木や樹脂のヘラなどを使って傷付けないように押し込みます。
9.組み直す
「6.」で分解する前の状態に戻します。Oリングを取り付けるのを忘れないよう注意して下さい。
余談ですがこの機会にOリングと板押さえパッドも交換してしまうのが良いかもしれません。板押さえパッドは劣化が進むと脆くなり、割れて粉状になります。
10.取り付ける
機械に板押さえを取り付けたら何度か機械を動かしてエア抜きをします。油漏れがなければ安全ガードを取り付けて作業完了です。
大変参考になりました。最後に作動油を追加で入れると思いますが、油種は何でしょうか?またどれぐらい入れるのでしょうか?