ニキシー管でつくるスペクトラムアナライザー製作キット


目次
ニキシー管って何?
スペクトラムアナライザー?
キットの概要


 

久々に電子工作をしようと思い、何か面白そうなキットは無いかと探していたところこんなものを見つけました。ニキシー管を使用したスペクトラムアナライザーを自作するキットです。部屋で音楽を聴くときにこれを繋げば音楽鑑賞がより一層楽しくなることでしょう。音に合わせてニキシー管の温か味のある光が揺らめいて見ているだけでも楽しいと思います。

ニキシー管って何?

電卓や時計に良く使われている7セグメントディスプレイが開発される前に使用されていた、今では殆ど見かけなくなった古いタイプの表示器です。「ニキシー」の由来は Numeric Indicator eXerimental No. 1 の頭文字をとったものだと言われています。左の画像が7セグ、右がニキシー管です。真空管のような見た目ですが動作する仕組みは蛍光灯に近いです。ガラスの内部に数字や文字の形のフィラメントが重なるように配置されていて、アルゴンなどの不活性ガスに満たされた状態で密閉されています。フィラメントに電流が流れるとグロー放電が起こり文字が光る仕組みになっています。真空管は現在でもオーディオマニア向けに生産が続けられていますが、ニキシー管は90年代に生産が終了したようです。ですから現在流通しているのはデッドストック品です。

スペクトラムアナライザー?

音波や電波を周波数ごとに区切って、エネルギーの高さをグラフ化して表示する計測器のことをスペクトラムアナライザーと言います。数十万円する本格的なものからMP3プレーヤーに組み込まれるものまで様々な価格帯のものが存在します。身近な例ではカーオーディオやiTunesなどで音楽を再生すると音に合わせてピョコピョコ動くあのグラフのことです。どの音域がどれ位の音量で鳴っているか分かるのでオーディオに拘る人にとって必要不可欠なものになっています。

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キットの概要

6本のニキシー管( ロシア製のIN-9型 )で音域を表現しています。 それぞれ63 Hz, 150 Hz, 330 Hz, 1 kHz, 3.3 kHz,10 kHzの周波数を表示します。 電源は12Vで汎用の電源端子から供給します。そしてRCA端子またはイヤホン端子から音源を入力します。MP3プレーヤーからの入力にも対応しています。本体にはスピーカーは内蔵されていないので入力側の端子に音源からのケーブルを挿して、出力側にスピーカーへのケーブルを挿します。
このキットのこだわりの点として制御回路に BA3830S というアナログアナライザー基板を採用したことが挙げられます。現代のスペクトラムアナライザにはFFTと呼ばれるデジタル回路で構成されているのですが、あえてアナログ回路を採用したことによってバーグラフの動きがカクカクせず、滑らかで遅延のない動きが実現しています。ニキシー管が持つレトロな雰囲気を壊さない為に配慮しているのが伺えますね。

このキットは4時間程度で組み立てられるそうです。プリント基板、表面実装する部品、筐体、そして12/15Vの電源が同梱されます。肝心のニキシー管は別注文となっていますが入手性を考えるなら同時に注文するのが賢明だと思われます。
自分で用意する必要があるものは、トルクスのT10ドライバーとネジ、あとは電子工作に使う基本的な工具だけです。自分でニキシー管を入手したい場合はebay等から購入する必要があります。現状では1本1100円程度で販売されています。
キットの価格はニキシー管込みで179€、ニキシー管抜きで149€です。納期は2019/10頃からとなっています。

The bare PCBs

電子工作がお好きな方はプロジェクトを支援してみてはいかがでしょうか?
真空管アンプは音の良さが認められているので生き残るかもしれませんが、ニキシー管は全てのメーカーがすでに生産中止したので確実に消えゆく運命にあります。今だけしか手に入らないもので電子工作を楽しむのは貴重な体験になることと思います。

Audio Spectrum Analyzer with Nixie tubes: IN-9 Nixielyzer

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