テプラの進化形「ハンディプリンター」は売れるのか



目次
ハンディプリンターとは
現行機種と価格
デメリット
売れるのか?



 

 手軽にネームラベルを作成できる文房具として広く普及しているテプラですが、販売が開始されたのが1988年なのですでに30年以上も売られ続けているロングセラー商品です。テプラは官公庁や企業のオフィスで必ずと言っていいほど目にする機会があります。あなたも備品やフォルダに貼り付けられたラベルを一度は目にしたことがあるでしょう。
 今日はそんなラベリングマシンのデファクトスタンダードと言える、テプラの進化系のような文房具についてご紹介します。

ハンディプリンターとは

手のひらサイズのインクジェットプリンターです。ハンディスキャナーのように手に持って印字面に対して水平に動かすことによって印刷します。機構的にはインクジェットプリンターのヘッドの部分を手で動かしていることに他なりません。現在複数のメーカーから販売されていますが、多くの機種では耐久性のあるインクを使用することで、金属や木材といった普通のインクジェットプリンターでは印字できないものにも印字することが可能になっています。インクは数秒で乾くので塗装のように乾くまで養生しておく必要はありません。
 テプラと比較するとフォントの自由度が高く、画像やロゴも印刷できるので、より装飾性の高いラベルを作成することが出来ます。そしてテプラを身の周りのものに貼り付けると独特の「業務用」感が醸し出されますが、こちらからはよりカジュアルな雰囲気が感じられます。実際に印刷している様子は下のyoutube動画を見てください。

現行機種と価格

現在国産メーカーではRICOH、海外製ではSelpicやPrintDreamsといった製品が販売されています。3万円から4万円程度の値段で売られています。普通のプリンターなら5000円位から買えるのにエラい高いじゃないかと思われるかもしれませんが、やはり流通量が少ないので量産効果が期待出来ず価格が高留まりしているようです。
中には上の動画で紹介したPrincubeのように15000円位で買える機種もありますが、この価格はクラウドファンディング上での返礼品価格なので、実際の定価は2万円代になる模様です。まだまだ新しいジャンルの文房具なのでこれから普及するにつれて価格もこなれてくるかもしれませんね。
さて、現在販売中の3機種のスペックを確認してみましょう。

3機種それぞれが長所を持っていてどれがベストバイか決めるのは容易ではありません。本体価格が一番安くて対応する素材も一番多いのが「Selpic S1」、ランニングコストが一番安いのが「RICOH Handy Printer」、身の回りの色々なものにカラーのイラストを印刷してアート志向の強いものを作りたいなら「Print Brush XDR」が適していると思います。

デメリット

・高い
一番のデメリットは価格の高さでしょう。前述の通り一般的なインクジェットプリンタが5000円程度、廉価版のテプラもそれ位の価格で買えてしまいますので価格面での優位性は全くありません。ランニングコストも高くつきます。上で比較した3機種の中で一番インクが安いRICOHでさえインク1本で4370円します。 特殊な機種なので社外品や詰め替えキットも流通していませんからインク代を節約することは困難です。 一方でテプラのリボンはまとめ買いすれば1本数百円で買えます。
・インクが手に入らなくなる?
RICOHはともかく他のメーカーはどれもマイナーな文房具メーカーですので消耗品の供給に不安を感じます。
広く流通しているカートリッジとの互換性があれば万が一メーカーが無くなってしまっても使い続けられるのですが、残念ながらどの機種も独自のカートリッジを使用しています。

売れるのか?

何をもって「売れた」と見做すのかは明確な基準はありませんが、ここではハンディプリンターが一般的な事務用品として普及することにします。
ほぼ間違いなく「売れない」でしょう。コスパが悪く消耗品の供給にも不安を感じる製品を使おうとする人はほぼいないからです。
ではハンディプリンターはポラロイドカメラのような娯楽性をもった文房具としてなら受け入れられるのでしょうか?
恐らくそうなると思います。ポラロイドカメラのように面白いけれど決して便利ではなく必要性も薄いものを購入する層は一定数存在します。単に写真を撮って共有したいならスマホで十分ですし、画質に拘るなら一眼を買うのが普通の選択です。それでもポラロイドカメラが絶滅しないのは一意に面白いからだと思います。
同じようにハンディプリンターはアートや手芸が趣味の方にとっては創作の幅を広げる面白いツールとして映ることでしょう。

「データ保存も出来る」ポラロイドまで登場している

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