公道走行可能な電動キックボード「Kintone α GO」


目次
Kintone α GO
電動キックボードの利点
電動キックボードの欠点
結論


 中華メーカーから電動キックボードは多数販売されていて、安いものだと2万円台から見つかります。
中には最高時速30Km/hを謳うものまでありますが、日本の道交法に適合しないため私有地でしか乗れないのが現状です。そんな現状ですがクラウドファンディング上で「道交法を満たしていて公道を走ることのできる電動キックボード」が開発されようとしています。それが「Kintone α GO」です。この記事では電動キックボードのメリットとデメリットを書いていきます。

Kintone α GO

最高速度:20~23km/h
最大走行距離(※路面状況が良好の場合):1回の充電で5~10km
本体サイズ:縦105cm、横47cm、高さ120cm
タイヤ外径:直径14cm
本体重量:10kg
最大体重制限:120kg
バッテリー:中国製リチウムバッテリー25.2V/4.4Ah(パワー:180w)
充電器:AC 100V~240V / 50~60HZ
素材:アルミ
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト
製造メーカー/ブランド:KINTONE
生産国:中国

 外見上の特徴として現在市販されているキックボードとは異なり後ろにナンバープレートとテールランプ、ウィンカーが装備されています。そしてハンドル部にバックミラーが装備されています。これらの保安装備を搭載することによって原付一種のバイクとして公道を走ることが可能になりました。
 上のスペックを見る限りパワーが180Wと記載されているので、電動アシストの自転車の7割程度の出力になります(国産の電動アシスト自転車は出力が250Wに規制されています)。平坦な路面であればカタログスペック通りの速度を出すことが可能だと予想されます。

電動キックボードの利点

・小さい

 この乗り物は、電車やバスなどに持ち込んで、駅やバス停から目的地までの短い距離を走ることを想定されています。その為携帯性を重視して設計されており、折りたたんで簡単に持ち運べるようになっています。同じようなコンセプトの乗り物として「折りたたみ自転車」と比較しても、車輪が小さくペダルやサドルも存在しないためにとてもコンパクトに折りたためます。また、折り畳んだ状態から展開する時もハンドルを引き起こすだけで良いので短時間で乗り出すことが出来ます。

・軽い

カタログ重量は10Kgと記載されています。コンパクトに折りたためるのが売りの折りたたみ自転車「ブロンプトン」の重量が最軽量モデルでも10.8Kg,軽量が売りの「birdy air(旧称BD-1)」が9.87Kgですからバッテリーも搭載していることを加味すればかなり頑張っている方だと思います。

イギリス製の折りたたみ自転車、ブロンプトン
ドイツ製の折りたたみ自転車、birdy(BD-1)

・体力を使わない

自転車のように自分で漕ぐ必要が無く自走してくれるので息が上がりませんし、夏でも汗だくにならずにすみます。打ち合わせなど人と会う時に見苦しい姿にならずに済むのは良いことです。

・電動アシストより安くなるかも

 このクラウドファンディングでは価格は76890円と高価ですが、市場に出回っているキックボードの価格(25000円から45000円)を考慮すれば、将来的には量産効果で値段が下がることが予想されます。仮に45000円位まで値段が下がったとすると市販されている電動アシスト自転車よりも大幅に安い値段で入手できることになります。
 率直なところ、すでに市販されているキックボードに灯火類を付けただけのものなのですからこれ位の値下がりは期待したいところです。

電動キックボードの欠点

・ヘルメットがいる

これは原付一種として登録している以上は仕方のないことなのですが、せっかく車体がコンパクトでも携行品があると嵩張ってしまいます。この乗り物は「駅からのラストワンマイル需要を満たす」為に開発されたと謳われていますが、目的地に手ぶらで向かうはずがなくリュックやカバンを持っているはずですからヘルメットを持ち歩く必要があるのは不便だと思います。防災用のヘルメットであれば折りたたんでカバンに入れられるものも存在しますが、残念ながらバイク用のヘルメットにはその類のものはないので、こればかりはどうしようもなりません。言うまでもないですが防災用のヘルメットでバイクに乗るのは道交法違反になるので出来ません。

・現実的には走れる場所が限定される

原付として乗る以上は歩道は走れません。生活道路であれば問題ありませんが流れの良い幹線道路を最高速度20Km/hの乗り物で走るのは恐怖を感じるかもしれません。小さなタイヤで走行するのでアスファルトの凹凸やひび割れにも気を使い、後続車にヒヤヒヤしながら走ることになります。自転車であれば歩道に上がって走り続けられますがこちらはそう出来ないのがつらいところです。

・税金、自賠責の費用が掛かる

原付一種を公道で走らせるには税金と自賠責保険の費用が必要になります。
原付一種の税金が年間2000円(重量税0円、軽自動車税2000円)、自賠責が一年で7500円かかります。どうせ年間1万円のコストを支払うのなら普通の原付を買ってしまった方がコスパが良いと思います。
なぜならこの乗り物は電車等の交通機関と併用することが前提なので、電車賃も移動にかかるコストに含まれます。JRのKm当たりの運賃表スーパーカブの燃費を比較すると数十キロまでの移動では原付の方が安いことが分かります。

結論

 メリットとデメリットを考えましたが、残念ながら現状では折りたたみ自転車の方が実用になると思います。
「ラストワンマイル」に特化した手軽な乗り物としてキックボートを使うのは斬新ですが、走行性能の低さと走れる場所が限定される問題、携帯性が売りなのにヘルメットを持ち歩く必要があり携帯性を損なってしまう現状、自転車と異なり維持費が掛かることから折りたたみ自転車の方に分があると思いました。

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