Goliath:加工範囲が無限のただ一つのフライス
DIY用に数万円で販売されているCNCフライス(ルーター)を購入しようと考えているのですが、
加工範囲がネックになっています。加工範囲が広いフライスは当然筐体も大きく場所を取りますし、
かといって小型のフライスでは加工出来るものが限定されます。
小型で加工範囲の広いフライスが無いか探したところ、逆転の発想で無限の加工範囲を実現した機種を発見しましたのでご紹介します。
こちらがその機種です。
Goliath CNC – An Autonomous Robotic Machine Tool for Makers
通常のフライスはテーブルの上に材料を置いて材料をX,Y方向に動かして加工します。
逆にGoliathはドリルが台車の上に乗せられて、材料の上をドリルがX,Y方向に自由に動きながら加工する仕組みになっています。材料では無く本体が動く為、電源コードが届く限りどんなに大きな材料でも加工することが出来ます。
どうやって位置決めするの?
通常のフライスは各軸のガイドにエンコーダーやリニアスケールが取り付けられていますが、これには存在しません。ではどのようにして位置決めするのでしょうか?
下の図のように材料の隅にポールを立てて、三角測量で本体の位置を検出しています。
本体とポールの間にワイヤーを張って、ワイヤー式のエンコーダーで長さを計測しているようです。
因みに精度は0.1mmと記載されています。
用途
精度が0.1mmですので小型で精密なものを加工するには通常のフライスに分があります。
このGoliathが威力を発揮するのは長物を加工したい時と、取り外すことのできない材料を加工したい時だと思います。例えばタンスや机を自作したい時に、板の上にGoliathを置くだけで各パーツを切り出してくれます。
そして天井や床といった取り外せないものに複雑な形状の穴を空けたいときにも、上に置くだけで加工できます。こういった従来のフライスとは一線を画した特徴を持つGoliathに私は魅力を感じました。
大きなものをそこそこの精度で加工したい方は検討してみてはいかがでしょうか。
Goliath CNC – An Autonomous Robotic Machine Tool for Makers