自転車のフレームに仕込むGPSトラッカー
ロードバイクがブームになってから何年か経ち、当初の勢いは衰えた気がしますが裏を返せば従来はロードバイクに関心を持たなかった層も所有するようになったことで、世の中にロードバイクが普及して飽和状態になったとも言えるのではないでしょうか。事実私が住んでいる最寄の駅の駐輪場も以前はママチャリ一色だったのが、今ではロードバイクやクロスバイクが2割位混ざるようになりました。
残念ながらこれらの自転車には共通して、高価で軽いので盗まれやすいという特徴があります。細いワイヤーロックはチェーンカッターで簡単に切断出来てしまいますし、かといって丈夫なU字ロックは重いし嵩張ります。ですから現状では利便性と防犯性はトレードオフになっています。
今回はフレームに内蔵できる防犯グッズをご紹介します。
iTrakit: GPS bike tracker. Fits in frame.
こちらがクラウドファンディングサイトのIndiegogoで支援者募集中のプロジェクトです。
概要
この黒い円筒形のチューブがGPS発信機とバッテリーが内蔵されたものです。自転車の位置情報はスマホにインストールしたアプリで確認できます。市販のGPSタグでコインサイズのもの(MAMORIO)が実用化されていますが、この手の商品はタグが手元から離れると通知が送信されたり、特定の場所や同じ製品を使用しているユーザーとすれ違うと位置情報が更新される程度の機能なのでリアルタイムで場所が更新されることはありません。
その点でこちらは常に場所を把握できるので万が一の際により素早く場所を特定出来ると思います。
このGPSタグは自転車のサドルの根本のパイプ(シートチューブ)の中に差し込みます。
電波は金属に当たると反射されますのでフレームの中に入れてしまったらGPS信号を受信出来ないのではと心配になりますが、どんなフレームにも使用できると書かれていました。実際に上の画像でも金属製と思われるフレームの中に差し込んでいます。
電池の持ち、そして機能は?
電池の持ちが悪いと使い勝手が著しく損なわれますがこの製品は標準的な使用状況で1年間の間電池が持つそうです。そして単に場所が分かるだけでなく、モーションセンサーが搭載されているので駐輪中に何者かが自転車に触れるとスマホに通知が飛ぶようになっています。そして万が一盗難被害に遭った場合は警察に位置情報が共有される機能も搭載されています(開発チームの地元のロンドン市警では対応しますが、日本でこの機能が使用できるかは不明です)。そしてこのGPSタグは自転車用に開発されていますが自転車のみならず、バイクや車にも使用可能です。
感想
自転車の中にGPSタグを内蔵するアイデアには驚かされました。目に見えるところにタグが付いていた場合、窃盗犯は恐らく外して捨てようとしますので場所を追跡できなくなるリスクがあります。こちらなら自転車を分解する意図がない限り見つかることはないでしょう。
一般的に窃盗された自転車は犯人が私物化したり、インターネットオークションに出品されたりしますが後者の場合は直ぐに出品することはせずにほとぼりが冷めてから出されますので、この間に場所を特定出来れば取り戻せる確率が大きく上がると思います。
ちなみに開発メンバーのプロフィールには自分の自転車を過去に何台盗難されたかが紹介されていました。メンバー全員が複数回被害に遭われています。この方は自転車を5台も盗まれていました。
おそらくこの苦い経験がGPSタグを開発するモチベーションに繋がっているのでしょう。高価なロードバイクや
リッターバイクを所有しておられる方は検討してみてはいかがでしょうか。