ArduinoやRaspberryPiと接続できるAIカメラ
目次
HUSKYLENSの特徴と機能
利用例
他のカメラとの比較
仕様
価格
ArduinoやRaspberry Pi に触れたことはありますか?こういった開発ボードはちょっとした電子工作からIoTや機械制御まで幅広い分野で活躍します。そして多種多様な拡張ユニットが販売されています。SDカードスロットを増設するものやwifiモジュール、焦電センサーなどが定番になっています。今日はディープランニングに使えそうなAIカメラモジュールを発見しましたので紹介します。
HUSKYLENSの特徴と機能
AIカメラを使うことは敷居が高いイメージがありましたが、このHUSKYLENSというカメラは簡単に使用出来るよう設計されています。基本的に認識させたいものをカメラに映した状態でボタンを押すだけで学習してくれます。次世代のAIチップを採用したことにより1秒間に30フレームの速度で対象物を検知せることが出来るようになりました。従来のチップでは毎秒2フレーム程度だったので大きな進化だと思います。そしてカメラ本体に加えて2インチの液晶が付属するので、何をどんな風に認識しているかがリアムタイムで確認できます。なかなか使い易そうな印象を受けるこの HUSKYLENS にはどんな機能が搭載されているのでしょうか?
このカメラには6つのアルゴリズムが標準搭載されています。顔認証、色の判別、物体の判別、目標の追尾、線の追尾、そしてタグの認識機能です。6つのうちどれか一つの機能のみ使用することも出来ますが、同時に複数の機能を使用する事が出来るので高い実用性を発揮します。例えば人混みの中の特定の人物の動きを追尾するシステムを作りたいときには顔認証と目標の追尾機能を使用すれば実現できます。
利用例
ロボットの制御やジェスチャーコントロールなどを主な利用例として想定しています。線の上をなぞって進むロボットは昔から存在しますが、このカメラを使えばボタンを押して線を認識させるだけで自動的に線を追尾するようにロボットを制御してくれるのでとても簡単です。そしてタグの認識機能を使用すれば線の分岐箇所にタグを置いて進路を変更させたり、任意の場所で停止させたり変則的な動きを加えられます。
ハンドジェスチャーコントロールは人の身振りを理解して機械になんらかのアクションをとらせる機能ですが、カメラに向かって手を振るとその人を追尾したり、指さした方向にレンズを向けるといった機能が実現できます。
他のカメラとの比較
類似の製品としてGoogleが2018年の4月より発売しているGoogle AIY Visionが存在します。Amazonでの実売価格は13000円程度です。
この機種はRaspberry Pi と接続して使用することを前提に開発されたものです。ディープラーニング用にMovidiusと呼ばれるチップが搭載され、HUSKYLENSと同等の毎秒30フレームでの物体検知が可能となっています。
HUSKYLENSとの違いはサンプルプログラムが出荷時では一種類しか入っていないので、自分の目的に合わせて一からプログラミングする必要があることです。そしてカメラの認識状態を確認するためのモニターは付属しないので自分で外部モニターに接続する必要があります。
メリットを挙げるとすれば開発元がgoogleなので将来的に既存のgoogleのサービスと組み合わせた新しい機能が実装されることを期待できます。例えばカメラで読み取った画像の中から条件に合ったものだけをgoogleドライブに保存したり、読み取った画像で画像検索を掛けて似たものを抽出したりするといった機能が実装されるかもしれません。長期的に将来を見据えて開発に打ち込むことを考えているのであればこちらを選択するのも良いかもしれません。但し現状ではホビー目的でAIカメラを購入するなら HUSKYLENS の方が低価格で使いやすいと思います。
仕様
・プロセッサ
Kendryte K210,400MHZ, 64bit Dual Core RISK-V
・イメージセンサ
200万画素のモデル OV2640
500万画素のモデル OV5640
・動作電圧
4Pin 3.3-5V, USB 5V
・通信ボーレート
URAT 9600-2000000bps
・ディスプレイ
2 inch IPS液晶、320×240
・寸法
52×44.5mm
価格
現在クラウドファンディングサイトでカメラ単体で19.9$、学習用のロボットとのセットが169$で入手出来ます。カメラマンは200万画素と500万画素の二種類のモデルが用意されています。想像力次第で色んな利用方法が生まれる面白い製品版だと思いますので、興味が有りましたらプロジェクトを支援してみてはいかがでしょうか?